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親しい友人を亡くする事程悲しい事は有りません。
フランスに入り間もない頃エクスアンプロバンスの街で日本の童謡が流れて居るギャラリーが有りました。日本の町屋を思わせる通路を抜けると竹林が有りました。其処で出会ったのがガロさんです。
彼は偉大なアーティストでも有ります。アメリカメトロポリタン美術館が彼の作品の購入依頼をした事でも分かります。
彼の主な作品は鉄を加工した作品でした。椅子だったり棚だったりランプ等です。しかし彼のセンスの良さはギャラリーその物でした。其所には彼の作業場も ギャラリーも彼のコレクションのアンティークも一見何を見せたいのか分からないギャラリーでした。竹の葉を小さな噴水に置いてその雫が葉を伝って落ちるよ うにしてたり、大きな鉄のシャンデリアが何気なく置かれていたり。噴水のデザインや環境デザインも彼のライフワークでした。
昨年夏に会って別れる際に彼が泣いて居ました。死を予感させる物でした。癌に冒され片肺を切除してもお元気でしたが、その数ヶ月後に亡く為ってしまったと 息子さんから聞きました。彼の携帯電話が留守電に為って居たのでまさかでした。すぐロワールに帰えらず少し物思いに浮気って居ます。
見ず知らずの日本人の個展を何時でもさせてくれてフランス流の考え方やシステムを教えて頂いて。
何よりも彼は偉大なアーティストでした。
彼の作品に囲まれて彼と一緒に居る事が楽しみでした。
考えて見ると彼が居たからこそ現在が有ると思います。
プロバンスの冬、暑い夏、何度も彼のギャラリーで過ごしました。セザンヌの道を通りセントビクトワール山を登ったり。プロバンスの思いでは尽きません。
フランスの携帯電話も其処で出会ったYOUKOさんがお世話して頂いて買った物です。
私はまだまだ気力体力が有るようですから皆様の為にガロさんの分まで頑張ります。
写真は昨年お会いした際に撮影した物です。