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長尾周二のヨーロッパ放浪記 に参加中!
水彩画家・長尾周二131205
日本に帰国して先ず訪れたのは上野公園の国立博物館です。
ルーブル美術館は勿論テイトギャラリー、大英博物館、プラド美術館、フレンッエ等々機会が有る毎に拝見して自分の感性を研く様に心掛けて居ます。
幸いフランスを中心に活動して居ますので蚤の市で自分の手に入る範囲で美術品をコレクションしています。

先日、友人と一緒に銀座古径にお伺いし芸術論に華を咲かせました。
日本やロシア、中国の作家のテクニックは素晴らしいがオリジナリティーや作品としての内容は残念ながら低レベルだと言う話に為りました。

同様の話はフランスの友人からも聞かされて居ます。日本の美術教育や学芸員は安易なテクニックや様式、学歴を頼りに行って居ます。

私が美術予備校を営んで居た時の話ですが大学の講師をしていた職員でさえ日本には黄金比は無いと言い西洋の美のみが基準だと信じて居ます。そうした偏った知識で判断すると画一的でつまらない作品に為ると思います。
日本には日本の黄金比が有ります。又、文化の違いこそが大切でそうした軸足を持つ事が世界に羽ばたく武器に為ると感じます。
横並び教育や金太郎飴的な発想では所詮、見世物小屋的な作品で終わり確りと根付いた秀作には成り得ないと思います。
日本の美術館の多くはそうした傾向が強く秀作をコレクションする努力を放棄しややもするとゴミ箱美術館と為って美術館とは名ばかりです。

阿佐ヶ谷美術専門学校の理事長をしている友人がとある美術館に行って来たと話して居たので鑑賞に値する作品が有りましたか?と尋ねると残念ながら無かったと答えて居ました。
私はその美術館には行った事は有りませんがオーナーは昔からの知人ですから見なくても分かります。

倉敷市に有る大原美術館でも作品収集を依頼された小島寅次郎さんが集めましたが秀作は3、4点ですね。ま、あくまでも私の個人的な感想ですから悪しからず。
有る大規模なヨーロッパ作品展覧会に植村鷹千代先生と一緒に伺った時に私がこの作品群の中で真筆の作品は一割位ですねと尋ねると笑って居ました。
その程度の美術関係者が多いのは40年前と然程変わりは無いと思います。

そうした専門家より趣味で画集やテレビ、美術館を巡っていらっしゃる一般人の方が遥かに見識が高い事を出会った方々とお話を伺うと感じます。